NoBU STYLE HOKKAIDO >大自然の奇跡!!北海道「知床」

「知床」 ユネスコ世界自然遺産指定地

アイヌ語のシレトゥク(地の尽きる所・岬)がその地名の由来。長さ約70kmの半島。中央部に羅臼岳(1661m)・地西別岳・知床岳・硫黄山など火山でできた知床連山が連なり、その地形は海から切り立った急峻な地形が特徴。屋久島(鹿児島)・白神山地(秋田・青森県)に次ぐ国内3番目の世界自然遺産指定地。

日本最北端・強風・流氷など過酷な自然環境の下で繰り広げられる壮大な大地の営みに訪れる誰もが感動します。その主役は陸では、ヒグマ・キツネ・エゾシカ・etc。海では、サケ・マス・トド・アザラシ・etc。空では、オジロワシ・オオワシ・シマフクロウ・etc。

陸・海・空の主役達が繰り広げる壮大な生命の循環には心打たれずにはいられません。これほどの野生動物達がドラマを繰り広げる場所は日本でもここにしかなく、世界でも有数です。

温暖化・無知な観光客による自然動物への餌やり・増えすぎたシカによる食害・無知な日本国家の治山ダム建設によるサケ・マスなど魚類の遡上阻害・・・など問題点も山積みですが、人間が勇気を持って行動してこれらの問題点を解決しなければなりません。これらの問題を解決しなければ、結局そのツケは確実に人間に回ってきます。みんなでこの素晴らしい地域を守りましょう。



3日目

「フレペの滝」ウォーク


昨日は夢のような楽しい1日でした。その余韻も覚めやらぬうちに新しい朝がやってきました。本日はフレペの滝ウォークからスタート。

バスで30分ほど揺られて、知床自然センターに到着。ガイドは昨日の野生動物ウォッチングの時と同じく斉藤氏です。

一通りレクチャーを受けていよいよ出発。斉藤さんの「まだまだヒグマがウロウロしてるので、皆さん気をつけてください」の一言で少しばかり緊張気味にスタート。

開拓の跡


入り口から歩き始めると、しばらくは林とササ原が続く道を通っていきます。

ここは大正〜昭和初期の開拓の跡地の二次林。しばらくすると右手に桜の大木が見えてきます。桜の横には開拓時代、家が建ってたそう。どんな気持ちでこの桜を見ながら開拓者達は生きていたのだろう?

歩いていると気になるのが立ち枯れした木々。原因はすべてシカの食害によるもの。シカの顔の届くギリギリの所まで、キレイに木の皮を食べてしまうのです。結果、皮を剥ぎ取られた木は立ち枯れしてしまうという訳です。

知床ではシカの食害が年々激増しており、貴重な草花も相当数失われ、食べる物が少なくなってきたため、今まで食べなかった樹種にまで範囲を広げてるそう。

野生動物と人間の共生は本当に難しい問題です。食物連鎖を考えると、頂点動物であるオオカミが絶滅したことが一番の原因ですが・・・簡単に解決できる問題ではありません。

フレペの滝

二次林を抜けると広い自然の草原が広がってます。ここまでが森林限界。この先から海までは激しい潮風のため、木が生きることができません。

そんな場所なのに所々に枯れた葉を持つ変な木が立っています。これは「カシワ」。立ち枯れしてるように見えますが立派に生きています。

普通の木はこれだけキツイ潮風に晒される所では生きれませんが、カシワは塩害に強いがゆえに、広い草原で力強く生きているのです。

しばらく歩くとフレペの滝に到着。切り立った断崖絶壁と真っ青なオホーツク海、その向こうに見える知床連山などの雄大な景色に気分爽快♪素晴らしく爽やかな朝であります(^^♪

滝を覗き込むと引き込まれそうになってしまいます。それにしても自然が作り出した景色というものは本当に素晴らしいものです。
雄大な景色の下で

二次林を歩いてる間、ずっと私の手を握り締めて、やけに大人しく歩いていた哲。

何も言いませんが、ヒグマが林の中から出てくるのではとビビッていたのです。普段は偉そうなのに結構可愛いところもあるもんです。

草原に出てからは、もう大丈夫だと感じたのかいつものように元気に走り回ってました。ここがどんな場所かは分からないけれど、豊かな自然のオーラを感じ取ってることは間違いありません。

本人の元気が出たところで、雄大な知床連山を背景にパチリ。こんな贅沢で雄大な景色の下で哲と写真を撮れるとは、本当に幸せだなとすべてに感謝しました。
羅臼へ

知床自然センターで、オオワシ・モモンガなどのぬいぐるみをお土産に購入して、バスに乗り一路羅臼へ。

出発したその時です、ガイドの池田さんが「キツネが何か食べてるよ!」と大声で言いました。

慌てて左に寄ってキツネを見ると、その口にはネズミがくわえられており、あっという間に飲み込まれてしまいました。あまりの瞬間芸のため、写真は背中を撮れただけでした。

さあ、いよいよ次は漁師町「羅臼」です!
ひたすら真っ直ぐな道

北海道には果てしなく続く真っ直ぐな道が、色々な場所にあります。ここ知床にもそんな道がありました。

斜里町から羅臼へと向かう道中、あきれ果てるくらい真っ直ぐな道があったのです。

信号も無く延々と続くその道には誰もが感動してしまいます。最初は気にしてなかった哲も、その内何だかとても真っ直ぐだということに気がついて、「スゴイね〜」と一言。

フロントの窓から見える真っ直ぐな道を、全員が見つめてました。私はこの道でレガシィの最高速度を出してみたいと思ってました。

他の皆さんは何を考えていたのかなあ?
純の番屋

羅臼町に入ってくると目に入ってきたのが、北の国からで有名な「純の番屋」。

ドラマで使用された物は、もっと別の場所ですがそこに観光客が殺到して市民生活に影響を与えたことから、この場所に観光客用にレプリカを建てたのです。本物の番屋は今でも現役で使われています。

観光客と地元で生活する人々との融和も、シカの食害と同じく難しい問題が山積み。最近はマナーの悪すぎる人が多すぎるのが一番の原因。

そこに住む人のことを考えて観光する・野生動物への影響を考えて行動する・・・など、哲にはキッチリと教えておかねばならないことがたくさんあります。
真の知床 「羅臼」

羅臼町は斜里町と正反対に位置するオホーツクの町。斜里町は大型観光ホテルも多くあり、一般の観光客の大半は知床旅行といえば斜里町に行くことが多いのです。

観光面だけで見れば斜里町が優勢ですが、知床を詳しく知るガイドの池田さんいわく、「真の知床は羅臼ですよ」と。

町全体に素朴さが残っており、のんびりと知床を味わうには最高だそうです。知床を知ろうというのなら羅臼を起点にすればいいですよと教えてくれたのです。

池田さんの知識には惚れ惚れするものがあります。ガイドなのに木の種類・動物の生態・森と海への造詣・北海道全体への知識の深さなど・・・ネイチャーガイドでもこのレベルの人にお目にかかれることは滅多にありません。

今回の旅は池田さんに出会えただけで、私には大きな収穫となりました。

道の駅「知床・らうす」の前に、国後島を望む

本日の昼食処である道の駅に到着。眼前には海の向こうに国後島が見えており。ここが北方領土に一番近い場所であることを実感させてくれます。

ニュースで聞いても実感することが難しい北方領土問題ですが、羅臼に住む人々には日常の生活に関わる重要な問題です。

漁師たちはギリギリの境界線で漁をしてるため、時々ロシアの警備艇に拿捕されたりと、一歩間違えば死に関わるほどのこともあるとか。

動物達はそんな境界線のことを知る訳もなく双方の島を行き来してるそう。頭上を飛び交う鳥達から見れば、人間ってチッポケな生き方をしてるもんだとバカにしてるのではないのかなと思ってしまいました。

難しい外交問題ですが、早く解決して動物達から「人間も少しは賢くなったね」とホメテもらいたいものです。

一期一会

道の駅のレストランではトド・エゾシカなどが食べられるということで、私達二人を除いた皆さんはそこで昼食を取ることに。

私達はというとありきたりの行程では楽しくないので、一期一会を求めてブラブラと町を散策して決めることに。とりあえず何の予備知識も無く、歩いてたらどこかで食べられるだろうということで出発。

3分ほど歩いた所でうに丼・いくら丼と書かれたノボリがあるお店を発見。看板・暖簾など店構えをジックリと見て、これは美味しいかもということで中に入ることに。

お店の名前は「鰍」(カジカ)。さあ、美味しいかなあ・・・?

「最北端の名人」

店内に入った瞬間にこれは美味しいお店だなと理解。迷うことなく即座にカウンターに座りました。

「いらっしゃい」と奥から店主らしき人が登場。真っ直ぐに見つめる笑みをたたえたその目には自信が溢れています。極限まで極めてないとこの笑顔は出てきません。まさに仕事の名人というお顔です。

お名前は大久保さん。このお顔を拝見した瞬間に、私はつくづくツイテル男だなと思いました。道の駅で食べてたら会うことはなかった人に出会えたのですから。

食べながら話を伺ってると、大久保さんの話は楽しいことばかり。羅臼の話題・旬の食べ物の話題など、話が尽きることはありません。実直な話し方と真っ直ぐな姿勢には、感銘を覚えました。

そんな中で驚いた話が二つ。一つは私が座ってる椅子に、1週間前に俳優の中尾彬さんが座ってましたよとの話。

もう一つ名前は控えますが、超売れっ子の有名人がお忍びで来るんですよとの話。そんな人が・・・というくらいの人です。

この味でこの人柄なら、羅臼まで来て食べる価値があるよなと実感。素晴らしい出会いに再度感謝した次第。

参考までに、今まで金沢で一番とか北海道で一番とか、随分とその地で最高と呼ばれるお鮨屋さんに行きましたが、店主の人柄・味・値段に納得できたのは私の地元の「菊水鮨」、そしてこの「鰍」さんだけであります。

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【鰍(カジカ)】
住所:北海道目梨郡羅臼町本町369-1⇒位置図(マピオン)
пF01538-7-2818 店主:大久保寿治

究極のルイベ 「スケソウ」

今では全国で食べられるようになってきましたが、元は北海道が発祥の地のルイベ。鮭を凍らせてその身を薄く切り、解凍せずに食べる方法。

大久保さんと話してると随分と意気投合してしまい、話題はこのルイベに及びました。

「ウチには究極のルイベがあるんだよ。けどその数が極端に少ないため、普段いちげんのお客さんに出すことはないんだけどね〜・・・今日は特別に出しましょう!」と一言。

そのルイベの正体は「スケソウ」。スケソウダラで有名な魚。羅臼には有名なスケソウ御殿がイッパイ建ってます。カマボコの原料くらいにしか思ってなかった私には、スケソウが本当に美味しいのか半信半疑でした。

凍ったスケソウを奥から取り、戻ってきた大久保さんはそれを薄く切っていきます。一見すると鰹節を削るかのよう。本当に旨いのか?
(右下の写真のお皿にのってる物がそうです)

「さあ、どうぞ」と差し出されたお皿にはキレイな白身の凍った物が。とりあえず醤油を少しだけつけて、口に入れると・・・・・・!!

ひんやりとした冷たさと同時にスケソウの身から出てくる味わいと香りが口全体にふわりと広がり、同時に身がとろけながらノドを通っていくのです。

「うんッ!旨い!最高ですよ!」と一言。こんな美味しい物食べたことがありませんでした。刺身と握りで頂きましたが、この感激は一生忘れることはありません。この文章を書いてる今でもあのフワーッと口に広がる絶妙な味わいと香りが思い出されるのですから。

聞くところによるとスケソウでも最高の部類のスケソウはごくわずかだそうで、漁期(10月〜12月)に最高のスケソウを見極めて、1年分購入しているそう。

年々漁獲量も減ってるそうで、ルイベでスケソウを食べること自体、極めて難しいでしょうとのこと。そんな貴重なスケソウのルイベを頂くことができて本当に幸せな羅臼での昼食でした。

大久保さんの人柄に大いに魅せられた私は、次回も必ず来ることを約束させていただき、お店を後にしました。

これから羅臼に行く回数は増えると思いますが、大久保さんに会わずして、羅臼で滞在することは有り得ないというほどの素晴らしい出会いでした。

大久保さん、本当にありがとうございました<(_ _)>

「あべ商店」 安部さん

道の駅に戻り立ち並ぶお店をブラブラしながら、どこかでお土産を買おうと品定め。一回りして商品の陳列法・鮮度・店員の表情・お店の構えなどを見比べて、あべ商店という所で買おうと決心。

お店の前に立っていた女性に声を掛けて、色々と魚とかお土産の話を聞くことに。丁寧に色々と教えてくれる中で、この人がこのお店の社長の奥さんと分かってきました。

このカニはこういう理由で美味しいとか、こっちのサーモンは少し味が悪いとか、自分に都合の悪いところも包み隠さず教えてくれる実直さにとても共感を覚えました。

ししゃもを贈り物に買おうとした時も、ここに並べてる物よりもイイ物があるからと、お店の奥からわざわざ取ってきてくれて、「社長はこれが美味しいって言うけど、私は絶対にこっちが美味しいと思うのよ。」と一言。

この人のいうことであれば、教えてもらった通りに買えば大丈夫。商売の鉄則は人間の心。いかに商品が良くても売ってる人の感じが悪ければ、だれもそこからは買いません。

またまた素晴らしい人に出会えて、何だかとてもうれしくなってしまうのです。味はというと贈り物だけでなく、自分の家用にも魚の詰め合わせを買いましたが、まさに絶品の味でした。

また一つ羅臼に来た時に寄る所ができてウレシイノブでした(^^♪

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【あべ商店】
住所:北海道目梨郡羅臼町本町らうす深層館⇒位置図(マピオン)
:01538-7-5877 ホームページ

到着、そして出発

大久保さんと阿部さんという素晴らしいお二人に出会えた大感動を胸に道の駅を出発。出た所のスグ近くの信号を何とエゾシカの大きな雄が堂々と歩いてるのにはビックリ。スゴイ光景です。

10分もすると本日の宿泊場所・らうす第一ホテルに到着。部屋に荷物を置いて、慌ただしく荷物を取り出してスグにフロントに。

本日の最後の楽しみへ出発。バスドライバーの唐津さんがバスを乗り換えて、乗用車で迎えに来てくれています。心行き渡る温かいサービスに感謝です。

乗用車はスグに出発。さあどんな所かなあ!!

秘湯 「熊の湯」

本日最後の楽しみの場所は大自然の真っ只中にある秘湯「熊の湯」。ホテルからは車で3分ほどととても近い所にあります。

車を降りて道路沿いに渡る川に橋が架けられています。その橋の向こうの森の奥から煙がモクモクと上がっています。

ロケーションはまさに秘湯そのもの。こんな場所の温泉なんて初めてということでワクワクしてしまいました。

橋を渡り少し歩いた所で更に下へ降りる小さな橋を渡ると、木製の小屋が見えてきます。

女性は外から見られないようにされておりプライバシーも確保。男性の方は着替える部屋らしきものはありますが、お風呂は豪快そのもの。

知床の大自然にある手作り温泉という素晴らしさに、温泉マニアの私は久しぶりにシビレテしまいました。

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【秘湯 熊の湯】
住所:北海道目梨郡羅臼町湯ノ沢町⇒位置図(マピオン)

無骨な海の男たちの優しさ

私と哲が服を脱いで寒さに身震いしながら入ろうとすると、ハンサムで筋骨隆々の日焼けしたお兄さんが「おい、あそこから桶を持ってきて体を洗って入れよ!」と一言。

実に無愛想な物言いの人でした。言われた通りに体を流そうとお湯をかけた途端飛び上がりそうに。哲は完全に飛び上がってしまいました。メチャクチャ熱いお湯なのです。何とその湯温は45℃。

私達の姿を見て中に入ってた人たちが、笑ってました。私は日本男児だというような顔でとりあえず辛抱して根性で入りましたが、哲は入れないとブルブル震えていました。

するとさっきの無愛想なお兄さんが仲間に「おい、この人たちのために水をもっと入れろ」と指示。小さな支流の水をせき止めて、その水量で湯温を調節してるのでした。せき止めてる板を上に上げると冷たい水が浴槽の横にある穴からどっと流れてきます。

哲はそのおかげで何とか入ってくることができましたが、穴の前で浴槽にしがみつき、まるで猿がぶら下がってるような変な格好で入ってるので、またまた皆さんに笑われてしまいました。

話をしていくうちに分かったのが、ここは作ったのも維持管理も地元の有志(ほとんどは漁師)・入ってるのは地元の漁師が多数を占める・熱いのは極寒状態の徹夜の漁で冷えた体を温めるため・・・etc。

何て無愛想な人たちだと思ってましたが、漁師ならば当たり前のこと。無愛想なお兄さんの名前は岡崎さん。話をして慣れてくると実に爽やかで優しい人でした。

岡崎さんとも話が合ってしまい、色々なことを話してあっという間に時間が過ぎていきました。次回知床に行った時にまたまた会う人ができてしまいました。

それにしても羅臼には素晴らしい人がたくさんいるものです(^_^)

感謝

本日の私の頭の中には感謝という言葉しか出てきません。

鮨を食べては、大久保さんに感謝。

お土産を買おうとしては、阿部さんに感謝。

熊の湯に入っては、岡崎さんに感謝。

こんなに心打たれる逞しく・強く・優しい人々に、
知床で出会えたことに感謝。

北海道名物の鮭のチャンチャン焼きを食べて 満腹に
なると同時に、哲も私も布団にもぐりこみ爆睡に。

旅って本当に楽しい・・・